(2002.1.14新設/2017.12.06 リンク画像を追加)
by 浦出 善文
ご案内が遅れましたが、本書『英語屋さんの虎ノ巻』と『英語屋さん ―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』(共に集英社新書)が電子書籍でもお求めいただけるようになりました。電子書籍版の『英語屋さんの虎ノ巻』については、このウェブページの「本書の補足および訂正」の内容を反映させるとともに、すでに使われていないウェブサイトのURLを削除するなど一部を修正しましたが、それ以外は発行当時のまま残しました。そのため、技術的にはやや古いことも書いてありますが、勉強法などの基本的な考え方は今でも十分に通用するとの考えから、『英語屋さん』とともに『英語屋さんの虎ノ巻』についても電子書籍の発行を承諾した次第です。
すでに新書版をお持ちの方が新たにお求めになることはないと思いますが、利便性や携帯性に優れた電子書籍版も新書版と同様に多くの皆様にご愛読いただければ、筆者として幸いこの上ありません。本書は電子書籍販売各社のサイト(注)でご購入いただけます。
なお、新書版もまだ出回ってはいますが、最近増刷されていないこともあってかなり品薄のようです。当面増刷の予定はなさそうなので、品切れの際はどうぞご容赦ください。
【同日追記】 版元(集英社)のほうから契約電子書店の一覧を掲載したウェブページのURLを教えてもらいましたので、下にリンクを貼っておきます。
『英語屋さんの虎ノ巻』の電子書籍版紹介ページ(契約電子書店一覧)
(2016.03.09記)【2016.04.19追記】 本書で言及したCD−ROM辞書・HD辞書(電子辞書)の利用環境はその後大きく様変わりしているので、これを機に『財界』誌に連載中のコラム「英語で夢を見る楽しみ」で最近の状況について簡単にまとめておきました。下記リンク先でお読みいただけます。
「英語で夢を見る楽しみ」 E-book 電子書籍(連載第355回)
(2016.04.19記)
本書は、かつては会社員として、そしていまはフリーランスの立場で「英語屋」を務めてきた私が、これまでの勉強や仕事で蓄積したコミュニケーション上の技術や考え方をまとめたものである。
第一章 日本人は『英語ができない』のか?では、「日本人は英語ができない」という一般論を私なりの視点から再検討し、私自身の英語に対する考え方や取り組み方をざっくばらんに開陳する。
第二章 『英語屋さん』の勉強法では、私が学生時代から今日に至るまで、日本国内で英語を身に付けてきた方法を具体的に紹介する。また、産業翻訳の仕事に携わる私の知識と経験から、それ以外の仕事でも役立ちそうな電子辞書(CD−ROM辞書/HD辞書)やインターネットの活用法を説明する。
第三章 効果的なビジネス英語術では、ビジネスに携わる人が知っておいて損はない英語の知識、プレゼンテーションや電子メールなど各種のコミュニケーション技術の要諦を説く。併せて、英語およびコミュニケーションに関する今日の社会問題について、「英語屋」としての視点から若干の提言をさせていただいた。
読者諸氏におかれては、それぞれの必要に応じて、お好きなところからお読みいただきたい。実用的な英語を身につけたい学生、実際に仕事で英語を使っておられる社会人の皆様には、いくばくかでも興味を持っていただけるものと期待している。
(『英語屋さんの虎ノ巻』pp. 8-9より抜粋)
第一章 日本人は「英語ができない」のか?「英語屋さん」への思わぬ依頼 / 「英語ができる」とはどういうことか /
英語を話すだけなら実は簡単 / 英語は発音よりも強弱のリズム /
聞き取れないからといってあきらめない / 文法がわからないからダメ? /
読みたいものを読むのがいちばん / 書くためにはまず真似ること /
試験を受けるのもいいけれど / 語彙の豊富さなら負けないぞ /
英語で議論するのはたいへん? / 無言で買い物をするようになった日本人 /
英語の師を見つけよう第二章 「英語屋さん」の勉強法
英語の勉強を成功させる四つの要素 / 単に「やさしい」という理由で教材を選ばない /
表現をまるごと覚えるカード学習法 / 色分け単語帳の効用 /
語彙を増やすコツ / 英和辞典の選び方 /
とにかく話してみよう〜まずは自己紹介から / 耳から覚えた英語は強い /
海外旅行で試してみよう / ディスカッションを楽しむ /
レシテーションのススメ / CD−ROM辞書・HD辞書の活用 /
インターネット検索術第三章 効果的なビジネス英語術
プレゼンテーションができますか / YES、NOだけでは場が持たない /
当意即妙の切り返し術 / 電子メールを書くときの心得 /
ビジネス文書を英訳する / ビジネス上、必要な企業社会の常識語 /
辞書を引いてもなかなか出てこない英語表現 / ビジネスで使う略語あれこれ /
ネーミングのセンスと効用 / 情報化社会にふさわしい文書の作成・配布方法 /
「英語屋さん」を使いこなすこと / 管理職や経営のトップに英語のテストは必要かあとがき
本文中で紹介した主な図書一覧
本書の執筆に際しては、ネイティブスピーカーを含む識者に校閲を依頼するとともに、情報源を確認するなど意を尽くしたつもりですが、本書の内容についていくつか鋭いご指摘を読者諸賢よりいただきました。
また、今日では時代の流れがあまりにも速く、本書の発売後、そこでご紹介した本やウェブサイトがなくなるなど、早くも内容を訂正しなければならない点がいくつか出ております。
識者各位からのご教示に厚く感謝申し上げるとともに、このウェブページで本書を補足・訂正させていただきます。
なお、まことに勝手ながら、下記の訂正・追加事項についてのご質問やご意見を当方または出版社にお寄せいただくのは、どうぞご遠慮ください(たとえお寄せいただいたとしても、それについてお答えしたり議論することは致しかねます)。
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- 『情報センスを磨く時』が絶版に … 本書pp. 208-209でご紹介した『情報センスを磨く時』は絶版となり、在庫もほとんどないことがわかりました。本書をどうしてもお読みになりたい方は、まことに恐れ入りますが、図書館からお借りいただくか、または古書店等でお探し求めくださいますようにお願い申し上げます。
- kensaku.org がサービスを停止 … 人気の高い検索エンジンとしてp. 135でご紹介した kensaku.org(http://kensaku.org/)は、2001年12月頃にサービスを停止したようです。Googleと並んで使い勝手の良い検索エンジンとして筆者も愛用していただけに、とても残念です…。
- There is no royal road〜 … p. 43にThere is no royal road for learning.(学問に王道なし)と書いたところ、「forではなくてtoではないか」というご指摘がありました。さっそく辞書で調べてみたところ、There is no royal road to learning.でした。これは完全に私の思い違いによるもので、お詫びして訂正します。改訂する機会があったら、toに訂正するつもりです。
校正を担当した米国人に確認したところ、ここをforと書いても、英語としては間違いではないそうです。そのため、彼を含めて校正にあたった人間が誰も気付かなかったらしい。完全にミスのない本を作るのは難しいものです…。
- AirCap(エアキャップ=プチプチ)には別の英語がある … pp. 177-179のAirCapについて、「前にインターネットで調べたら、bubble wrapという英語が見つかった。『リーダーズ英和辞典』にも収録されている」とのご指摘をメーカーに勤めておられた方からいただきました。
さっそく調べてみたところ、確かにあります。検索結果で表示される数も多く、米国ではこの言葉も広く通用しているようです。
AirCapを商標登録している米国のSealed Air Corporationという会社のウェブサイトを改めて見ましたら、「AirCapもBubble Wrapもともに当社の登録商標である」という記載がありました。どうやら、どちらも商標が転じて普通名詞化したものらしい。
手元の『リーダーズ・プラス英和辞典』(研究社、CD-ROM版)でbubble wrapを引いていみたところ、「 《われもの梱包用などの》 発泡ビニールシート、バブルラップ」と出ていました。私の日本語の語彙は「エアキャップ」か「プチプチ」だったので、これらの言葉で検索しても、この辞書では出てこないはずです。
本書を改訂する機会があれば、AirCapのほかにbubble wrapを併記したいと思います。
- Re:はregardingの省略形か … 通信文の表題につけるRe:については、p. 172に「regardingの省略形」と書きましたが、これについては異説があるようです。
大きめの英和辞典を引くと出ていますが、re(〜の件)はもともとラテン語の言葉で、古い法律文書や商用通信文でもよく使われていたようです。(周囲の識者を含む)私自身はregardingを省略したものと聞いていましたが、「〜の件」という意味で使われているからregardingの略だと誰かが言い出したのが、そのまま信じられているだけなのかもしれません。
一方、電子メールのRe:はreplyの略だとする説があるようです。電子メールでは、Re:は返信にしか使わないというのがその理由らしい。そういう解釈でも別にかまわないでしょう。もっとも、かつての商用通信文のRe:はラテン語の言葉、またはregardingの略と考えている人が多かったのに、「電子メールのRe:はそうではなくてreplyの省略形だ」などとことさらに意識して使い分けることに、私自身はたいした意味を感じません。いずれにしても実用上、そう大きな問題ではないと思います。
【リンク集】
それ以外の検索エンジン等については、Honyaku-Kozo InfoExpressをご覧ください。
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