〜 訳者によるPRおよび補足のページ 〜
(2004.1.16新設)
by 浦出 善文
本書『バーダマン教授の辞書には出ていないアメリカ英語フレーズBOOK』は絶版となりました。読者の皆様から絶大なご支持をいただいたお蔭様をもちまして、本書は版を重ねること11刷、累計発行部数10,500部を数えました。ここに改めて読者の皆様に厚く御礼を申し上げます。
なお、本書の大部分を転用した本が同じ版元から違う書名で刊行されるように聞いておりますが、その本については私(訳者)はいっさい関与しておりません。ご興味のある方はどうぞ版元のほうにお問い合わせください。
(14.10.09記)
(各章名の右にあるのは収録フレーズ例)はじめにChapter 1. 会話を始める/終わらせる表現 Fancy meeting you here! / A little bird told me.
(挨拶 切り出し 別れ 食事)Chapter 2. 相手に答える表現 Uh huh. / You can say that again. / I'll take a rain check.
(肯定 同意 否定 拒否 応答)Chapter 3. 相手に尋ねる/相手を動かす表現 How come? / Give me five! / Don't be too sure.
(質問 確認 激励 賞賛 助言 勧告 命令 要請 勧誘)Chapter 4. 感情を表す表現 Thank goodness! / For crying out loud!
Chapter 5. ことわざ、その他気の利いた表現 First come, first served. / Where's the beef?
索引
アメリカ人の日常会話やアメリカ映画などで耳にする"生きた英語"のフレーズは、手元の辞書を見てもあまり出ていない、出ていたとしてもなかなか見つからない、たとえ見つかったとしてもどういう状況で使えばいいのかよくわからない ―日本国内で英語を勉強している人なら誰でも、そういう悩みを感じたことが一度や二度はあるでしょう。この本は、長年にわたり日本で英語教育に携わってきたジェームズ・M・バーダマン教授が、生きた英語のフレーズを地道に集めて作り上げたものです。諸国の歴史や文化に造詣の深い教授ならではの観察眼と洞察力に基づく説明を読めば、各フレーズがどういった場面でどのように使われるものかが手に取るようにわかります。そればかりでなく、思わずニヤリとしてしまう軽妙洒脱な説明や、映画・スポーツといった親しみやすい分野にわたる用例のおかげで、辞書や教科書のような堅苦しさの抜けた、とても楽しめる本に仕上がりました。
この本の翻訳を担当させていただいた私自身、先生の書かれた説明や用例を訳しながら「ああ、なるほど。この表現は、こういう場面でこういう具合に使うんだ」とひとつひとつ納得しながら楽しく仕事ができました。読者の皆様には畏れ多いことですが、一足お先にこの本を堪能して良い勉強させていただいた気分です。
さらに、この本には音声CDが付属しています。ナレーターは稀な美声の持ち主アニタ・スグナンさん。音声の収録には私も立ち会いましたが、まるで美しい歌でも聞いているかのようなナレーションに、思わず聞きほれてしまいました。発音や抑揚によく注意しながら、口真似してみるといいでしょう。
さあそれでは、私と一緒にバーダマン教授の名講義を受けるような気持ちで、この本を紐解いてみましょう。
2004年1月
【参考文献】
- 『アメリカ南部―大国の内なる異郷』(ジェームス・M. バーダマン著/森本豊富訳、講談社現代新書)
これまでにも数々の英語本を出されているバーダマン教授ですが、ご専門はアメリカ文学。出身地のアメリカ南部の歴史や文化にも深い造詣をお持ちです。
このたび、先生のご本の翻訳をお引き受けするのを機会に読んでみたのがこの本。『風と共に去りぬ』のように南部を舞台にしたアメリカ映画の背景となった南北戦争などの歴史がよくわかり、とても興味深く読めました。また、高温多湿な南部の自然環境がコーラやスポーツドリンクの発祥地になったという産業的な背景なども面白く書いてあって、この地域について知識を持ち合わせていない私には格好の入門書になりました。
本書のほか、アメリカ南部に関する先生の近著に『ふたつのアメリカ史―南部人から見た真実のアメリカ』(東京書籍)があります。